佐々木倫子「チャンネルはそのまま!」6巻(完)感想(ネタバレあり)






1000円を超えるマンガを買うって、同じ作者の「月館の殺人」以来かも。
でもまあ、いつもより多めの8話収録だから、同じ価格で前巻より40ページ減だった「SWAN モスクワ編」3巻よりはよほど良心的と言えるでしょう(根に持ってるな~(^^;)。

さて、この人のスピリッツにおける業界内幕モノシリーズも「おたんこナース」「Heaven?」に続いて3作目となるわけですが、今回が一番登場人物が生き生きとしてて楽しく読めたような気が。
内幕モノとしては「おたんこナース」もよくできていたんですが、やはり「動物のお医者さん」でいう菱沼聖子役の人が作中でブレイクするか否かで、作品の面白さに厚みがでてきますよね。
そういう意味で、HTBの藤村ディレクターをモデルにしたと言われている小倉部長のデキが良かったことがなによりの勝因かと思います。
モデルの元ネタ(笑)を知らなくても楽しめるのはもちろん、知っているとより楽しめるのではないかと。

ただ、今作の深いところは、(おそらくブレーンの方によるものでしょうが)作品を通しての伏線らしきものがあり、それに一応ちゃんとした説明がこの巻でなされているところです。
それは

ひぐまテレビがなぜこんなにもHHTVを目の敵にするのか?

という点。
別にコメディだから、そういうものだ、で片づけてもよかったんですよ。

「うる星やつら」で

なぜラムはあたるみたいな男を好きになったのか
なぜ無類の女好きであるあたるがラムにだけはなびかないのか


に対してちゃんとした説明がなかったように。
これってある意味物語の根本ですが、しかし別に説明がなくても十分面白い作品でした。

この作品も別にそうしても良かったんですが、まずHHTV側の調査によるひぐまの敵視の真相が明かされ(第36話『HHTV』)、でもひぐまテレビ側から真相が別にある事を匂わされ、やがてその真相が明らかになる(第40話『街の灯』)という流れはちょっと「よくできてるな」と思わせるものでした。

そしてラストも第1話で雪丸が言われたセリフを最後に雪丸自身に言わせて、一周回って”to be continued"という感じのラストもよくある展開ですが、好ましく思いました。

いわゆる名作には入らないかもしれませんが、最近少なくなっている

読み物としてきれいにまとまっている作品

ではないでしょうか。

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